収穫したてのじゃがいも、どうやって保存していますか?
「土がついたまま置いておけばいいかな?」「冷蔵庫に入れれば安心?」そんな疑問を持つ方は多いと思います。
でも、ちょっとしたポイントを押さえるだけで、じゃがいもは驚くほど長持ちするんです。
本記事では、家庭でも簡単にできる、じゃがいも収穫後の正しい保存方法をプロの視点でわかりやすく解説します。
芽やカビの予防法から季節別の保存術まで、すぐに役立つ情報が満載です!

収穫したてのじゃがいも、まずやるべきこと
土を落とすタイミングはいつ?
じゃがいもを収穫したら、まずやりたくなるのが「土を落とす作業」ですが、これはタイミングを間違えると保存性に影響が出てしまいます。
収穫直後のじゃがいもは非常にデリケートな状態にあります。
表面の皮がまだ完全に乾いておらず、軽い擦れでも傷になりやすいため、土をすぐに落とそうとするのはNGです。
理想的なタイミングは、収穫後2〜3日間しっかりと陰干しして、じゃがいもの表面が乾いてから。
表面が乾くことで皮に強度が出て、触っても傷つきにくくなります。
また、土はすべて落とさず、軽く払う程度がベストです。
なぜなら、じゃがいもに付いた土がクッションとなり、保存中の湿気や温度変化から守ってくれる効果もあるからです。手で軽く払ったり、やわらかいブラシを使って表面を優しく掃く程度でOKです。
水洗いはこのタイミングでは絶対にしないでください。
次の項目で詳しく解説します。
洗う?洗わない?正しい処理方法
多くの人が誤解しているのが「収穫後のじゃがいもは洗うべきかどうか」という点です。
答えはズバリ「保存するなら洗わない」です。
じゃがいもは水分に弱く、水で洗うと皮の中に湿気が入り込み、腐りやすくなってしまいます。
しかも乾燥しづらくなるため、カビやすくなるというデメリットもあります。
どうしても泥が気になる場合は、乾いた土のうちに手や布、やわらかいブラシなどでそっと落とす程度にしましょう。
一方で、すぐに調理する分に関しては洗っても問題ありません。
ただし「洗ったじゃがいもはその日のうちに使う」が鉄則です。
保存目的ならば、絶対に水はNG。
湿度管理が保存のカギなので、このポイントは必ず守ってください。
傷ついたじゃがいもの扱い方
収穫のときにスコップや手でうっかり傷をつけてしまうことがありますよね。
このような傷ついたじゃがいもは、残念ながら長期保存には向きません。
なぜなら、傷から雑菌が入りやすく、他のじゃがいもまで腐らせてしまう可能性があるからです。
でも、捨てるのはもったいないですよね。
そんなときは、傷ついたじゃがいもだけを分けてすぐに使うようにしましょう。
保存用のじゃがいもとは別にして、目の届く場所に置いておけば忘れずに早めに使い切ることができます。
また、傷の程度によっては皮を厚めにむけば問題なく使えるケースもあります。
食べるときは変色や異臭がないかを確認してから調理しましょう。
乾燥が超重要!正しい乾燥方法とは
じゃがいもの保存において「乾燥」は非常に重要なプロセスです。
収穫後すぐのじゃがいもは水分が多く、表面に微細な傷がある場合もあるので、しっかりと乾燥させることで保存性がぐんと高まります。
乾燥の目的は、表面を乾かして傷口をふさぐことと、菌やカビの繁殖を防ぐことです。
理想的な乾燥方法は、風通しの良い日陰に2〜3日間ほど広げておくこと。
直射日光は避けてください。
なぜなら、じゃがいもは日光に当たると「ソラニン」という有毒成分を生成してしまい、緑色に変色することがあるからです。
新聞紙やすのこの上に重ならないように並べて置き、時々ひっくり返して全体が均等に乾くようにするとさらに効果的です。
保存前に必ずするチェックポイント
乾燥が終わったら、保存する前にもう一度チェックしておきたいポイントがあります。
それは以下の通りです。
チェック項目 | 理由 |
---|---|
傷や打撲がないか | 傷は腐敗の原因になりやすい |
芽が出ていないか | 芽が出ていると老化していて傷みやすい |
変色がないか | 緑色はソラニンの可能性があるため要注意 |
湿っていないか | 湿気があるとカビやすくなる |
においがしないか | 異臭は腐敗のサイン |
このチェックリストを保存前に一つひとつ確認しておくことで、失敗のないじゃがいも保存ができます。
最初の手間が後々の保存期間の長さに直結しますので、ぜひ丁寧に確認しましょう。
最適な保存場所の選び方とは?

冷蔵庫NG?意外と知らない落とし穴
じゃがいもは「冷蔵庫に入れれば長持ちする」と思っていませんか?
実はそれ、逆効果になることが多いんです。
冷蔵庫内は通常0〜5℃前後とかなり低温ですが、じゃがいもにとってこの温度は低すぎます。
この温度帯に長く置かれると、じゃがいもの中にあるでんぷんが糖に変化してしまいます。
これによって甘くなるだけでなく、焼いたり揚げたりしたときにアクリルアミドという有害物質が発生しやすくなってしまうのです。
また、冷蔵庫内は湿度が高めで結露もしやすいため、カビやすくもなります。
つまり、冷蔵庫はじゃがいも保存にとって「温度も湿度も不適切」なのです。
じゃがいもは10℃前後の暗くて風通しの良い場所で保存するのがベスト。
冷蔵庫には、カットしたものや調理後のじゃがいもだけを入れるようにしましょう。
直射日光と高温多湿を避ける理由
じゃがいもにとって最も避けたいのが「直射日光」と「高温多湿」の環境です。
これらの条件がそろうと、じゃがいもの劣化が一気に進んでしまいます。
まず、直射日光に当たるとじゃがいもは光合成を始めてしまい、表皮の一部が緑色に変色します。
これは「ソラニン」と呼ばれる天然毒素が生成されたサインで、摂取すると頭痛や吐き気・下痢などの中毒症状を引き起こす危険性があります。
また、高温多湿の環境下ではカビが発生しやすく、内部から腐るケースもあります。
湿度が高いとじゃがいも自身が呼吸して発生する水蒸気がこもってしまい、内部に水がたまりやすくなるのです。
その結果、内部がブヨブヨになったり、特有の嫌な臭いが出てきたりします。
保存場所として適しているのは、暗くて風通しのよい場所。
具体的には床下収納、シンク下の収納庫、押し入れの中などが向いています。
ただし、湿度がこもりやすい場所はこまめに換気するようにしましょう。
梅雨時や夏場は特に注意が必要です。
扇風機や除湿剤なども上手に活用すると、保存性がぐっと高まります。
理想的な温度と湿度の目安
じゃがいもを長期間おいしく保存するためには、保存環境の「温度」と「湿度」の管理がとても重要です。
最適とされている温度は約5〜10℃。
あまり冷たすぎると前述のように糖が増えてしまい、風味や健康面に悪影響が出るため、冷蔵庫のような0〜4℃の環境は避けましょう。
湿度に関してはやや高めの80〜90%が理想とされています。
これはじゃがいもが乾燥しすぎると水分を失ってシワシワになり、味や食感が落ちてしまうからです。
ただし、湿気が多すぎると今度はカビや腐敗の原因になるため、通気性の良い保存方法がカギとなります。
下記のように条件を整えておくと良いでしょう。
条件 | 理想の数値 |
---|---|
温度 | 5〜10℃ |
湿度 | 80〜90% |
日光 | 完全に遮光 |
通気性 | 良好(風通しがよい) |
この条件を意識することで、収穫から2〜3ヶ月、長い場合は半年近くじゃがいもを美味しく保つことができます。
床下収納や押し入れはどう?
「じゃがいもをどこに置けばいいの?」と悩んだときに出てくる選択肢のひとつが、床下収納や押し入れです。
実はこれらの場所は、適切に使えばかなり理想的な保存場所になります。
床下収納は外気の影響を受けにくく比較的温度が安定しており、暗所であることが多いためじゃがいもの保存には適しています。
ただし、注意点もあります。
まず、湿気がこもらないように定期的に蓋を開けて換気すること。
密閉状態が続くと湿度が上がりやすく、カビや腐敗の原因になります。
また、保存容器にも工夫が必要で通気性の悪いビニール袋などに入れたままにすると内部に水滴が発生し、傷みやすくなります。
押し入れも同様で、通気性と湿気対策がポイントになります。
すのこを敷いてじゃがいもを直接床に触れさせないようにしたり、除湿剤を併用すると長持ちします。
床下や押し入れの環境をうまく利用すれば、家庭でも十分プロ並みの保存が可能です。
保管容器は紙袋?段ボール?ネット?
じゃがいもを保存する際の容器選びも、保存期間に大きな影響を与える重要な要素です。
まず最もおすすめなのが「紙袋」や「段ボール箱」。
これらは通気性があり、かつ光を遮ってくれるので、保存には理想的です。
中に新聞紙を敷いたり、じゃがいもの間に挟んだりすると、余分な湿気を吸収してくれる効果もあります。
ネット袋も使えますが、光を通しやすいため暗所での使用に限られます。
また、じゃがいも同士が触れやすく傷みやすいというデメリットもあるので、少量の保存に向いています。
一方で、絶対に避けたいのはビニール袋です。通気性がなく湿気がこもるため、腐敗の原因になります。
容器の下にすのこや新聞紙を敷き、週に1回程度中身を確認することも大切です。
保存環境が万全でも、内部でひとつでも傷んだじゃがいもがあると、周りに影響して一気に悪くなる可能性があるためです。
容器と保存環境の相性を意識し、賢く保存しましょう。
保存期間を延ばすテクニック
光に当てない工夫と遮光袋の活用法
じゃがいもはとても光に敏感な野菜です。
光に長時間さらされると「ソラニン」という有害物質が発生し、皮が緑色になってしまいます。
これは見た目が悪くなるだけでなく、健康にもよくありません。
ソラニンは加熱しても分解されにくいため、しっかり遮光対策を行うことが重要です。
簡単な方法としては、保存する容器の上から新聞紙をかぶせる・紙袋に入れて保管する・遮光タイプの保存袋を使う、などが挙げられます。
遮光袋は100円ショップなどでも手に入り、繰り返し使えてとても便利です。
段ボールを使う場合は、開け口をしっかり閉じておくことがポイント。
ちょっとした光でも長時間当たれば変色してしまうので、保存場所そのものも暗所にすることが必要です。
また、キッチンなど明るい場所で保管する場合は、容器を覆う布を黒っぽい素材にするなどの工夫も有効です。
とにかく「光を遮る」が基本。
これを徹底するだけで、じゃがいもの保存期間はぐんと延びます。
芽が出るのを防ぐ「りんご」の裏ワザ
じゃがいもを保存していると、いつの間にか芽が出ていた…という経験はありませんか?
実はこれ、エチレンという植物ホルモンの作用によるものです。
この芽の発生を抑えるために昔から使われている裏ワザが「りんごと一緒に保存する」方法です。
りんごは自然にエチレンガスを放出しており、これがじゃがいもの発芽を抑制する効果を持ちます。
やり方はとても簡単で、じゃがいもを保存している袋や箱の中に、りんごを1〜2個入れておくだけ。
ただし、りんごの皮が傷ついているとカビの原因になるため、キズのないりんごを選ぶのがポイントです。
注意点として、りんごのエチレンは他の野菜や果物にも影響を与えるため、じゃがいもと一緒に入れる以外の野菜とは分けて保存しましょう。
また、りんご自体も腐らないように定期的に状態をチェックすることが大切です。
この方法を活用すれば、じゃがいもの保存期間が大幅に延び、芽が出にくくなります。
保存のプロも実践しているテクニックなので、ぜひ試してみてください。
傷みやすい品種の見極めと工夫
実は、じゃがいもには品種によって保存に向いているものとそうでないものがあります。たとえば「男爵いも」はホクホクとした食感で人気ですが、比較的傷みやすく、芽も出やすい傾向にあります。一方で「メークイン」は粘り気があり、皮がしっかりしているため保存には向いています。
そのため、長期保存を見越している場合は、メークインやキタアカリ、とうやなどの保存性の高い品種を選ぶと良いでしょう。また、小粒のじゃがいもは傷みやすいため、早めに使い切るようにするのがおすすめです。
家庭菜園で収穫した場合などは、品種がわからないこともあると思います。その際は、「皮が薄くて白っぽい=傷みやすい」「皮が厚めで黄土色=保存性が高い」といった見た目で判断することもできます。保存の際は、こうした品種や見た目によって仕分けをしておくと、先に傷みそうなものから使えるので、無駄なくじゃがいもを楽しめますよ。
定期チェックで早期発見&対処
保存しているじゃがいもを「そのまま放置しておけばOK」と思っていませんか?
実は、保存中にも定期的なチェックがとても大切なんです。
なぜなら、たった1個でも傷んだじゃがいもがあると、その腐敗が周囲のじゃがいもにも広がってしまうからです。
おすすめのチェック頻度は週に1回程度。
保存容器を開けて中を確認し、見た目に異変がないか、異臭がしないか、触ってブヨブヨしていないかなどをチェックしましょう。
もし傷んだじゃがいもを見つけた場合は、すぐに取り除くことが肝心です。
また、その周囲にあるじゃがいもも念のため分けて観察するようにしましょう。
チェック時には、新聞紙や中敷きなどが湿っていないかも確認してください。
湿っていた場合は新しいものに交換し、通気性を保ちましょう。
こうした「ちょっとした手間」が長期保存にはとても重要です。
家庭でできる簡単な作業ですが、効果は絶大。
じゃがいもを無駄なく、そしておいしく長く楽しむためには欠かせない習慣です。
適量ずつ分けて保存するメリット
大量のじゃがいもを一度に保存すると便利なように感じますが、実は「分けて保存」することで、より長持ちさせることができます。
たとえば、保存容器をいくつかに分けておけば、ひとつの容器で問題が起きたときも他のじゃがいもに影響を与えません。
また、食べる分だけ小分けにしておくことで、保存容器を頻繁に開け閉めする必要がなくなります。
開けるたびに温度や湿度が変わるとじゃがいもの状態が悪くなりやすいので、なるべく保存環境を一定に保つことが理想的です。
さらに、1週間ごとや2週間ごとに使う量を目安にしておけば、「この箱は今月分」「これは来月用」といった管理ができ、使い忘れや腐敗を防ぐこともできます。
保存容器ごとにチェックのタイミングを分散させることで、手間も減らせるというメリットもあります。
まとめると、じゃがいもは「まとめてドカンと」よりも「少量ずつ分けて管理」が賢い保存法。
長持ちさせるだけでなく、日々の管理も楽になりますので、ぜひ取り入れてみてください。
冬と夏で変わる保存方法
冬場は自然の冷気を活用しよう
冬の寒さを逆手にとって、じゃがいもを長持ちさせることができます。
冬場は室温が自然と下がるため、冷蔵庫を使わずとも理想的な保存環境を整えやすくなります。
具体的には、屋内で5〜10℃前後を保てる場所が最適です。
たとえば、玄関の近くや廊下、物置など、外気に近くて温度が低い場所がおすすめです。
このとき注意したいのは、「凍らせないこと」。
気温が0℃以下になるような場所に置くと、じゃがいもが凍ってしまい、解凍後に水っぽくなったり味が落ちてしまいます。
また、凍ったじゃがいもは中がスカスカになり、加熱しても美味しくありません。
理想的なのは、温度が0〜5℃にならないように管理できる空間に置くことです。
夜間の冷え込みが強い地域では、段ボールに入れた上で毛布やタオルなどをかぶせて保温しておくと、凍結を防げます。
また、新聞紙で包んでおくことで温度変化を緩やかにする効果もあります。
冬の自然冷気をうまく活かすことで、エコで経済的な保存が可能になります。
夏の高温期にはここに注意!
夏はじゃがいもにとって最も過酷な季節です。
高温多湿な環境では、すぐに芽が出たり、腐ってしまうこともあります。
特に注意したいのが、気温が25℃を超えるような室内環境。
こうなると、じゃがいもは呼吸が活発になり、劣化のスピードが一気に上がります。
夏場の保存には、「通気性の良い場所」を確保するのが第一。
屋外の物置などは一見涼しそうに思えても、日中はかなり高温になるため要注意です。
風通しが良く、かつ直射日光が当たらない屋内スペースを選びましょう。
エアコンがついている部屋に段ボールや紙袋で保管するのも一つの方法です。
また、保存するじゃがいもの量を調整することも大切です。
夏は長期保存に向かない季節なので、なるべく消費ペースに合わせた量だけを手元に残し、あとは調理や冷凍保存などで使い切ってしまうのが賢い選択です。
保存用と消費用を分けておくことで、夏の保存トラブルを避けやすくなります。
季節ごとの保存容器の違い
じゃがいもを保存する容器も、季節によって使い分けることでより長持ちさせることができます。
たとえば冬場は湿度が低いため、紙袋や段ボールが基本です。
これらはじゃがいもを乾燥から守りつつ、適度な通気性を確保できる優れものです。
一方で夏場は湿度が高く、カビやすい季節。
ここでは「通気性重視」の容器選びが重要です。
ネット袋や穴の空いたかご、すのこの上に置いて新聞紙をかぶせるなど、空気の流れを意識した保存方法を選びましょう。
段ボールを使う場合は、フタを完全に閉めずに隙間を開けておくことがポイントです。
また、季節の変わり目には保存容器の状態も一度チェックしましょう。
冬に湿気を吸った段ボールはカビの温床になることがあります。
春夏に向けては、容器を新しいものに交換したり、新聞紙を取り替えるなどの対策も大切です。
季節に合わせた保存容器の使い分けで、じゃがいもがより長くおいしく保てます。
扇風機・すのこで通気性を確保
じゃがいも保存の大敵は「湿気のこもり」です。
そのため、通気性をしっかり確保する工夫が必要です。
簡単にできるのが、すのこの上にじゃがいもを置く方法。
これだけで床との接触を避けられ、下からの風通しがよくなります。
さらに、扇風機を低速で回すことで、保存場所全体の空気が動き、湿気がこもりにくくなります。
特に夏場や梅雨時など湿度が高い時期には効果的です。
注意点としては、直接じゃがいもに風を当てすぎないこと。
表面が乾燥しすぎてしぼんでしまう恐れがありますので、空間全体にやさしく風を通すような設置が理想的です。
また、すのこは100円ショップなどでも手軽に手に入り、汚れたら簡単に洗えるという利点もあります。
保存容器の下に敷くだけでなく、じゃがいもを段重ねにする場合にも、すのこを挟むことで通気性をキープできます。
こうしたちょっとした工夫が、保存の成否を分ける大きなポイントになります。
クーラーボックスの応用テク
夏場に大活躍するのが「クーラーボックス」。
通常はアウトドアで使うものですが、実はじゃがいもの保存にも応用できます。
クーラーボックスは外気を遮断し、内部の温度を一定に保つ効果があるため、高温な室内でも温度管理がしやすくなります。
保存方法としては、じゃがいもを新聞紙で包んでからクーラーボックスに入れ、保冷剤を直接ではなく布などを挟んで使用するのがコツです。
直接じゃがいもに冷気が当たると凍結や劣化の原因になりますので、あくまで緩やかな冷却を意識しましょう。
特に直射日光が当たる部屋しかない、室温が高すぎるという場合には、クーラーボックスの中に湿度を調整できるような素材(シリカゲル、新聞紙など)を入れておくとさらに効果的です。
あまり密閉しすぎず、時々フタを開けて空気を入れ替えるのも忘れずに。
家庭でもできる簡単な保存対策として、知っておくと便利なテクニックです。
保存NGなじゃがいもの特徴と対処法
緑色に変色したじゃがいもの危険性
保存していたじゃがいもを見て、「なんか緑っぽくなってる?」と思ったことはありませんか?
これは「ソラニン」や「チャコニン」と呼ばれる天然毒素が生成された状態です。
これらは光に当たることで増加する物質で、食べると腹痛・下痢・吐き気・めまいなどの中毒症状を引き起こす可能性があります。
特に注意が必要なのは、緑色になっている部分とその近くの皮の下の部分。
見た目には目立たなくても、中に毒素が蓄積されていることがあります。
食べる際は、必ず緑色の部分を大きめに取り除くこと。
皮が薄いからといってそのまま調理するのは非常に危険です。
保存段階でじゃがいもが緑にならないようにするためには、「光に当てないこと」が最大の対策です。
保存場所は必ず暗所を選び、遮光袋や新聞紙で完全に覆っておきましょう。
緑色に変色したじゃがいもは無理に食べず、安全のために処分することをおすすめします。
見た目で判断できる大切なサインとして覚えておきましょう。
芽が伸びたらどうする?捨てる?使える?
じゃがいもに芽が出ているのを見つけると、「もう使えないのかな?」と悩む方も多いはず。
結論から言うと、芽が出ただけであれば使えます。
ただし、いくつかの条件付きです。まず、芽がまだ小さくて白っぽい場合は、芽をしっかり取り除けば問題ありません。
しかし、芽が長く伸びていて緑色に変色していたり、根のようになっている場合は注意が必要です。
芽の根元には「ソラニン」が多く含まれており、この部分を残したまま食べると中毒症状の原因になります。
必ず芽を根元からえぐるように取り除き、その周囲の皮も厚めに剥いてから使うようにしましょう。
また、芽が出るということは、じゃがいもが老化しているサインでもあります。
水分が抜けてスカスカになっていたり、変な臭いがした場合は、食べずに処分するのが安全です。
芽の状態をしっかり見て、使えるかどうか判断することが大切です。
カビや腐敗のサインを見逃さない
保存しているじゃがいもを確認して、「変な臭いがする」「表面がベトベトしている」「白いカビが生えている」といった異常を見つけたことはありませんか?
これはカビや腐敗が進行しているサインで、すぐに対処が必要です。
まず、白カビや青カビは明確な「NGサイン」です。
カビが生えたじゃがいもは表面だけでなく中まで菌が入り込んでいる可能性があるため、表面を削っただけでは不十分です。
カビの胞子は見えない範囲にまで広がっているため、基本的には食べずに処分するのが安全です。
また、強いアンモニア臭や腐ったような異臭がする場合も同様に処分対象です。
触ったときにブヨブヨしていたり、液体が出ている場合はすでに中が腐っている証拠です。
ひとつのじゃがいもが腐っていると、周囲にも影響を与えるため、早めに取り除きましょう。
保存中はこまめなチェックを心がけ、怪しいものは無理せず捨てる。
この判断が、全体の保存成功を左右します。
傷や打撲で痛んだ部分の処理法
収穫時や運搬中にできたじゃがいもの「傷」や「打撲痕」は、時間とともに腐敗の原因になりますが、初期段階であればしっかり対処することでまだ活用できます。
まず、傷が深くて黒ずんでいたり、ジュクジュクしている場合は、その部分を大きめに切り落としてください。
切った断面が黒やグレーでなければ、内部はまだ使える可能性があります。
一方で、打撲などで内部が変色している場合は、切ってみて判断することが重要です。
変色部分を取り除いても、残った部分に異臭がなく、固さも保たれていれば調理に使うことができます。
ただし、保存には向きませんので、早めに調理して使い切るようにしましょう。
打撲や傷は、見た目以上に内部の劣化を進めるため、保存中のチェックでも注意深く見ておく必要があります。
他のじゃがいもと一緒にしておくと全体が傷む原因にもなりますので、傷んだものは別で管理するか、すぐに使うようにしましょう。
変色・異臭がある場合の対応策
じゃがいもを切ってみたら、「中が黒っぽい」「赤茶色に変色している」「なんだか酸っぱいにおいがする」
こうした異変に気づいたら要注意です。
まず、変色についてですが、切り口がうっすらピンク色や黒色に変わるのは、酸化が原因で食べても問題ないことが多いです。
しかし、内部全体が黒ずんでいる場合は、「黒あざ病」や「軟腐病」といった病害が原因で、すでに品質が大きく落ちています。
また、異臭がする場合は、菌による腐敗が進んでいる可能性が高く、安全のために破棄しましょう。
水分が多すぎるようなじゃがいもも、すでに内部が劣化していることが多いため注意が必要です。
対策としては、「切ったらすぐ使う」「保存状態が悪そうなものは先に使う」「使う前に見た目とにおいをしっかり確認する」といったことを心がけましょう。
迷ったら無理して食べない、というのが最も安全な選択です。
家庭でも安心して使えるように、目視とにおいのチェックは常に意識しましょう。
まとめ

じゃがいもは収穫後のひと手間や保存環境に少し気を配るだけで、驚くほど長くおいしく保つことができる野菜です。
土を軽く払い、正しく乾燥させ、暗くて風通しの良い場所で適切な温度と湿度を保って保存する。
この基本さえ守れば、家庭でもプロ並みの保存ができます。
また、芽や緑色、カビなどの見逃せないサインに気づくことで、安全に、無駄なく使い切ることが可能になります。
さらに、季節や保存容器、定期チェックの習慣を取り入れることで、より長期間の保存が実現できます。
少しの知識と工夫で、じゃがいもはもっとおいしく、もっと長持ちします。
収穫後の保存方法をマスターして、家庭での食材ロスを防ぎつつ、毎日の料理にも役立ててくださいね。
