テレビや街中で「献血」の呼びかけを目にすると「自分も何か社会の役に立ちたい」という気持ちになることはありませんか?
僕もかつて、病院の前に止まっていた献血車を見て「自分はホルモン注射をしているから無理かな…」と足を止めたことがありました。
実際のところ、ホルモン注射を続けているFTMは献血ができるのでしょうか?
過去に日本赤十字社に直接メールで質問をした際の回答と、2026年現在の最新情報を踏まえて整理しました。
過去に日本赤十字社に質問した際の回答
お問い合わせいただいた件につきまして、日本赤十字社では輸血を受けられる方だけでなく献血をされる方も含め双方のご健康と安全をお守りするため採血に関してさまざまな基準を設けており、お薬の服用(使用)に関しましては、目的となる疾患及びその治療状況等も踏まえ採血現場の検診医師が最終的な献血の可否を判断しております。
性同一性障害に関しましては、お薬を使用されていない場合献血にご協力いただくことが可能ですがお薬(内服薬や注射薬)を使用されている場合は投薬が終了してから1か月間は献血をご遠慮いただくこととしております。
(投薬の量にかかわらず 、一律の基準としてご案内を行っている内容となりますので、ご参考ください)
そのため、3週間に1回の頻度で注射を行う状況が継続している間は誠に申し訳ございませんが献血をご遠慮いただくこととなります。
こちらの基準は、献血をされる方のお体に最大限配慮することを目的に設けられたものとなりますのでしば犬様のお気持ちには深く感謝いたしますが何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
なお今後のご参考としてお知らせいたしますが、献血の基準に関しまして性別に応じて体重やヘモグロビン値などの条件が異なっております。
また、問診項目では性的接触に関する質問事項等も設けられておりますが現状ではいずれも(該当日における)戸籍上の性別をもとに判断しておりますのであらかじめご了承ください。
採血基準はこちらから
http://www.jrc.or.jp/donation/about/terms/
問診でお伺いする項目はこちらから
http://www.jrc.or.jp/donation/pdf/ketsueki_monshinhyo_2013ver.pdf
この度はお問い合わせいただきまして、ありがとうございました。
日本赤十字社
血液事業本部 広報担当
返答の内容をまとめてみる
結論的には、FTMでも献血を行うことは可能だけれどホルモン注射を打っている場合は1ヶ月ホルモン注射を打たない状態にする必要がある。
これは、ホルモン剤の量や種類に関係なく1ヶ月開ける必要があるってこと。
仮に1ヶ月ホルモン注射を打たない状態で献血をお願いしたとしても、献血の基準が性別などによっていろいろ変わってくるから採血現場にいる検診医師に確認するのが良いってことですね。
2026年現在も継続的に注射をしている間は「遠慮」が必要
日本赤十字社の基準では2026年現在でも、男性ホルモン製剤を継続的に使用(注射・内服)している間は、原則として献血をご遠慮いただくことになっているようです。
- 1ヶ月の待機期間
ホルモン剤の量や種類にかかわらず、最後の投薬から1ヶ月間は献血を控える必要があります。 - 継続治療中の場合
僕のように3週間に1回といったペースで注射を続けている間は、常に体内に薬剤の影響が残るため、残念ながら献血に協力することはできません。
なぜ制限されているのか?(2026年の視点)
制限の理由は、献血をする人の健康を守るためだけではなく「輸血を受ける患者さんを守るため」でもあります。
特に男性ホルモンの場合、その血液が妊婦さんに輸血された際にお腹の赤ちゃん(特に女の子の赤ちゃん)の正常な発育に影響を与えるリスクが理論上否定できないため、安全を最優先にしているのです。
最近ではプラセンタ注射の制限緩和(2026年秋予定)といった医学的な進歩も話題になっていますが、男性ホルモンに関しては「これから生まれてくる命を守る」という観点から依然として慎重なルールが維持されています。
知っておきたい「性別」の基準
献血の現場では、体重やヘモグロビン値などの基準が男女で異なります。
これらについては、現状では「(該当日の)戸籍上の性別」をもとに判断されます。
もし戸籍変更が済んでいれば、男性としての基準で問診を受けることになります。
ただしその際も、検診医師には「ホルモン注射の有無」を正直に伝えることが安全な輸血のために最も大切なマナーです。
まとめ:FTMの献血制限と、今の僕たちにできること
今回は、FTMのホルモン注射と献血のルールについて整理しました。
結論として、継続的に注射を受けている間は、ルール上「献血を控える」という選択が必要になります。
これは、輸血を受ける方の安全(特に胎児への影響リスク)を最優先に考えた医学的な基準に基づいたものです。
「誰かの役に立ちたい」という善意が、ルールの前で足止めされてしまうのは少し残念な気もします。
でも、まずはその事実を冷静に受け止めることが自分と誰かを守ることにも繋がります。
僕自身、20年この体と付き合ってきて思うのは、無理に何かをしようとするよりもまずは自分自身が「健康で、穏やかな毎日」を積み重ねていくことが何より大切だということです。
いつかルールが変わったり、生活の状況が変わったりしたときに、またあらためて考えればいい。
それまでは、自分の体のリズムを大切にしながら今日という日を過ごしていきましょう。
